うちの家のことではないんですが、祖母が可愛がっていた犬がいわゆる虹の橋とやらを渡っていったようで。
メスのマルチーズ、16歳。大往生だよなぁ。
元気な頃は、人が遊びに来た時はそれは飛び跳ねてまわって、スライディングする勢いで腹を向けて転がる。人が好きすぎる馬鹿犬。いい歳になっても2歳児相手にやきもちをやいてうなる、大人気ない馬鹿犬。
そんなやんちゃな犬でしたが、祖父の言うことだけは絶対でした。その祖父は四年前に他界しましたが、厳しくて無口で、怒ると怖いじいちゃんの事が大好きだったようです。
自分も小学生か中学生の頃だったか、祖父と犬と弟とでよく海に連れて行ってもらいました。
泳ぐ訳じゃないんですが、砂浜の手前にある並木道を散歩したりパーラーで氷ぜんざいを買ってもらったり。じいちゃんは練乳入りの特に甘いやつにしていたのを覚えている。
犬との思い出は祖父との思い出でもあります。
最近は犬も相当弱っていて、自力で座ることも難しい状態になっていました。最後に会ったのは先月の敬老の日にプレゼントを持っていった時か。正直もうそろそろだと思っていた。これが最後かなと。
昨日初めて犬が死んだことを聞かされた時も、その晩にばあちゃんに電話をした時も、思いのほか冷静だったのは別に悲しくなかったからなんじゃなくて、ゆっくり心の準備をさせてもらっていたから。
保健所に犬を引き取ってもらうのを祖母がいやがり、昨日ペット葬儀をしたそうです。
お骨はあの海にまく、と言っていました。
久しぶりに会えたじいちゃんの足元で、腹を上に向けてバタバタしているあの犬の姿が目に浮かぶようです。