初めてスピリチュアルってものを信じてみたくなった話
隣の家に住んでいた幼馴染みが死んでから3ヶ月になろうとしている
立ち直ったつもりで全然立ち直れていなかったんだと思うが
周囲の人間に隣人の武勇伝を話す癖というのは治っていなくて、それは問題ないが
最近になってまた物思いに耽ることが多くなった
後悔というのはとにかく、隣人の一番苦しかったであろう時期に側にいることが出来なくて
それどころか気づくことすらできなくて、半年会ってないと思っていたらいつの間にかもう二度と会えない姿になっていて
昨晩もそれで暫く眠れやしなかった訳です
さらに困ったことに、隣人の声がノイズがかっていてよく思い出せない
隣人の、アニメの感想を話す時のテンションが上がっている間の声だとかそういう声はかろうじて思い出せる
…ものの、普通に話しているときの声がおぼろげ
これはまずいと思って、ここ数年は家の中でばかり遊んでいたのでその時のことを必死に思い出そうとしても沢山は思い出せない
もう記憶の中でしか会う方法がないのだと思うと、それらを少しずつ忘れていく事が怖くて
夢の中でもいいから、会いに来いよ
と
思いつつ寝た
ら
その晩の内に隣人は自分の夢に現れた
隣人を確認した瞬間、間違いなくこれは夢だと確信した
だってこいつはもういないんだから
いや、単なる夢でもいいからとにかくすぐに醒めてはならない!!と
慎重になる
そこはここ数年、隣人と会って話していた自分の家のリビングのようで、
夢の中の隣人は自分に、いつものようにスキンシップ攻撃を食らわせていた
隣人が具体的に何を喋っていたのかは夢なりに覚えていない
でも確かにそこで隣人は、自分があんなに思い出せなかったはずの懐かしい声で何かを喋っていた
ただ一言だけ、これだけははっきり覚えている隣人の一言がある
夢から醒めたくなくて、このままずっと隣人とぼうっとしていようと思った時だった
「そんなことより外に行こう」
隣人はそう言って
自分の手を引いて、見たことのない玄関を出て、
そこで夢から醒めた
いつまでも記憶の中にこもってないで、いい加減「外」に出ろと
そういうことだったのか
それとも自分の妄想が生んだ本当に単なる夢だったのか
それにしても
出て欲しいと思った時に出るかよ、普通
まぁとりあえず、
ありがとう。