シナリオのシリアスな空気を壊してはいけないので記事本編では一切触れていませんでしたが、実のところシナリオの内容に途中から違和感を感じていて、しかもそう感じているのがどうやら自分一人だけではないようなので思い切って素直な感想をそのまままとめる事にしました!
※一部シナリオの内容を茶化す表現がありますが、当時感じた違和感を自分なりに面白おかしく受け入れようと思った結果で、登場するキャラクターを貶める意図はないことをご理解頂ければと思います。
飛び降りる必要はあったのか「託された未来」の例のシーンですね
シナリオにもやもやしたという点ではこれはいきなり核心を突いてきたんじゃないでしょうか、多くの覚者がミシアルの凶行に唖然としたと思います
もちろんミシアルがイリスに殺されてしまうとそれがゲートを開くことに繋がるので、一見ミシアルのこの行動はアリと言えばアリです
しかし何故イリスをどついた後飛び込み台に一直線だったのか、同じような距離でレオと覚者の所に逃げ込む余裕があった上で「身投げするしかねぇ!」となったのか、そこが疑問です
BGMやっぱおかしかったよなミシアルの突然の身投げに温度差を感じてしまった覚者もといプレイヤーがいたとすれば、そのひとつの原因としてBGMが大きく影響してしまったのではないかと考えます
彼女が落下している間BGMが流れ出すのですが、これが
えらく爽やかなBGMなんですよね
同じ涙を誘うという目的でも悲壮感が漂うようなBGMならまだ騙されたかもしれない
しかし実際に流れ出したのは、例えるなら
怪我をして飛べなくなった鳥がようやく空に飛び立った瞬間流れ出しそうな、シーンがシーンでなければ「良い最終回だった」と言いたくなるほど希望に満ちあふれる曲調です
もちろんBGMにそういう印象を受けたのはあくまで自分個人の感想ですが、「何で飛び降りた!?」となっている所にそんなBGMを流されても、シナリオと自分との温度差の違いをひしひしと感じるだけです
「ミシアルの選択は正解だったんだよ…」と言いたげだが騙されねえからな!?(涙目
いやミシアルの選択は正しかったよただの愚痴ならいくらでも書ける、ここからはひとつ違った見方でシナリオを読み解いてみましょうか
ミシアルお前絶対レオの所に逃げる余裕あっただろ!自害なんてのは本当にどうしようもない最悪の状況の時だけにしろよ!!
泣くぞ!!でもちょっと待って下さい、本当にレオのところに逃げ込んでミシアルが無事でいられる保証はあったのでしょうか?
イリスはミシアルを生きたまま捕らえる必要はありません
短剣でひと突きでもすればイリスにしてみれば
メインターゲット達成ですから、ほんの一瞬でもあれば良い訳です
ミシアルが何とかレオの元に逃げ込めたとして、レオがイリスから彼女を守り抜くことが出来たかどうかを考えると…
どうなんだ…?(遠い目まぁ冗談はほどほどにして、ミシアル自身「何かを為せるような存在ではない」と巫女という立場の無力さを認識していて、この先命を狙われ続けて神殿側の足を引っぱるぐらいならという、今この瞬間の事ではなくずっと先の事を見据えて考えた結果だったのかもしれません
それにしても思い切り過ぎだとは思いますが、彼女はまともな育ちの人間ではありませんからね
「命なんて安いものだ。特に俺のはな。」そしてこの後、ミシアルが身投げしてでも開けさせまいとしたゲートは結局レオの手によって開かれてしまいます
何章後でもいいから「馬鹿め!それは本体だ!!」とでも言ってミシアルが再登場でもしない限り、彼女が報われなさ過ぎる;
世界を巻き込んだ「すれ違い」白竜やレスタニアの未来を守るストーリーだと思っていたら、途中から不器用なカップルの痴話喧嘩を見せられていた!
イリスが洗脳されたところまでは良かったのですが、その後のイリスに対するレオの距離を置いた対応の仕方といい、洗脳だけが原因ではなさそうなイリスの情緒不安定っぷりといい、完全によくある男女関係の縮図になっていましたね
例1.レオ「イリスに身を隠せと伝えに行ってくれ」←自分で行け、分かってねーな!!
例2.イリス「殺して」→レオ「分かった!」→イリス「何で本当に殺そうとすんのよ馬鹿!!」超が付くほど朴念仁な男と、言わないけど察して系の女という所でしょうか
お互いの心中を素直に伝える事が出来なかった彼らは、シナリオ中でもお互いに「すれ違い」を起こしていた事に、最後の時になってようやく気が付きました
レオはイリスに、これまでの心中をこう明かしています
「禊の神殿の誓いで――
俺は変わった」
「おまえが変わらずに過ごしているのが
理解できず――」
「だから」
「変わるしかなかった」禊の神殿の誓いについては「奪われた心」でイリスが触れていますが、そこでは恋愛感情のような普通の人間としての思いを捨てて、覚者として生きることを誓い合ったと話していました
ここからは憶測ですが、レオはイリスに志を共にする仲間として、同じ覚悟を背負った覚者としての関係を望んでいたのではないでしょうか
レオの「変わるしかなかった」というのは、覚者として生きるとはどういう事なのかイリスにも分かって欲しくて、要するに自分で手本を示して背中で語ろうとしたんですかね
「奪われた心」で、レオがイリスを斬ろうとするシーンがあります
あの時イリスを斬ろうとしたのは、人としての気持ちよりも使命を選んだ覚者としてのレオの姿
しかし同時に、その少し前にレオはイリスに向かって洗脳を解く方法を「一緒に考えよう」とも言っていました
その時見せた姿が、イリスが密かに求めていた「覚者になる前の」レオだったのではないでしょうか
一方でイリスは、禊の神殿での誓いを簡単に受け入れることが出来なかったのだと思います
イリスがレオに対して個人的な思いを寄せていたとして…禊の神殿の誓いですっかり「覚者らしくなってしまった」レオの姿に、日頃から思うところがあったのかもしれません
そこにディアマンテスによる洗脳です
イリスは自身が洗脳されて後のことを「私がいなくなっても世界は変わらない、レオは変わらない」と言っています
これも自分の想像でしかありませんが、「奪われた心」以降のイリスは、洗脳半分・しかし後の半分は確たる意志があって動いていたんじゃないですかね
もちろん正気というよりはいわゆる「病んでいる」状態だったのだと思いますが、かつての友人がここまで危険な状態になってしまったらさすがにレオも動揺するのではないかと、
「覚者になる前の」優しいレオが戻ってきてくれるのではないかと期待して…
つまりレオはイリスに覚者としての生き方を選んで付いて来て欲しいと思っていたのに、イリスもまたレオに対して覚者としてではなく人間らしい姿を求めていたのではないかと考えます
どちらもお互いに違う理想像を重ねて、同じように「変わって欲しい」と思っていた
これが、
「すれ違いかぁ…」という、イリスの最期の言葉に繋がるのではないかなと
問題はシナリオのテンポが早すぎたのか少し描写に丁寧さが足りなくて、シナリオを追うプレイヤーにいまいち物語の本質が伝わりにくい事になっていることだと思いますが…
そして結局レオは、覚者としての選択であれば白竜に捧げるべき命の器を、「ディアマンテスを倒す」というレオ自身の感情でゲートを開くことに使ってしまいました
覚者ではなく一人の人間としてのレオを求めたイリスの願いが、皮肉にも彼女自身の死をもって叶えられてしまったという事になるのでしょうか
ぼちぼちメインクエを進めながら、物語の行く末を見守って行くことに致しましょう