※この記事はアルタナミッションの
「舞姫、来たりて」「玉冠の獣、ふたたび」「梢の胡蝶」
のネタバレを含みます。過去のサンドリアを訪れた冒険者
何やら人々が一斉にどこかに向かうのを見て、どうしたのか聞いてみると…
Remiotte : ああ、あれか?
マヤコフ舞踏団のステージを
見に行くんだろ。ウチの隊の連中も、
だいぶ前からチケットの奪い合いだよ。
Remiotte : ん、
マヤコフ舞踏団を知らないのか?
Remiotte : なんだ、もぐりだな。
今、ブリリオートの舞踏団と人気を二分する
流行りの舞踏団じゃないか。
Remiotte : しかも、オレの見立てによると
ダンスはともかく、ダンサーの質だけなら
断然マヤコフ舞踏団のほうが格上だね。
Remiotte : なんてったって
可愛い子ちゃん揃いだからな!
Remiotte : で、これから、
獅子の広場の向かいにある店で、
舞踏団主宰の慰問ショーが開かれるのさ。
Remiotte : あれだけのダンサーを
側で見られる機会なんて、そう滅多に
あるもんじゃないからね。同僚たちも必死だよ。そこで冒険者も、ショーが開かれるというレストラン・獅子の泉へ向かうことに
Melderphaux : ……マヤコフ(Mayakov)団長。
お忙しいところ、取材を受けて下さって
ありがとうございます。
Melderphaux : では、今回のショーの
見どころをお願いします!
Mayakov : ……そう、皆さんも
ご存じのとおり、マヤコフ舞踏団の舞台は
常に、美麗と絢爛を追及してきたわ。
でもね……
Mayakov : 目に見える美しさというのは
だいたいやり尽くした気がするの。
そう、このあたくしの姿のように。
Melderphaux : ……。
Mayakov : われわれには、
次なるチャレンジが必要だったわ。
Mayakov : そして今、
目指すべき新たな地平を見つけたの。
それは「夢」……そう、ドリームよ!
Mayakov : こんな時代ですもの、
あたくしたちが、皆に夢を与えなくっちゃ。
舞踏団一同、そう決意したんですの。
Viridiana : ……しかし、
華美な踊りは、時勢がら厳しくなってきた
という批評家の声もありますが……
Mayakov : おだまりっ!
Mayakov : 闇王だか何だかしりませんが
なんぼのもんですかっ!
Mayakov : そこが
玉座の前だろうが
地獄の果てだろうが……
Mayakov : たとえ、この身が果てようとも!
いいえッ、魂売ってでも踊り続けるのが
あたくしたち、マヤコフ舞踏団ですのよッ!
おおおおーー!!と、ここで団長マヤコフは、冒険者が取材陣に紛れて前に出て来たのを見つける
Mayakov : ……あら?
Mayakov : なんなの、このコは!
ちょっと、ギンダフ(Gindaff)!
Mayakov : 客、入れてんじゃねえよ!
まだ開演前だろうが!
Gindaff : す、すみません!
Mayakov : ごめんなさいね、お客さま。
今は仕込み中なの。また
後で、チケット握りしめて来てちょうだい。
Mayakov : ……って、んん?
Mayakov : ちょっと待ちなさい。
あんた、チケットは?そこでチケットを売って欲しいと頼む冒険者だったが…
Mayakov : ……やれやれ。
とんだ世間知らずのボーヤね。
ショーのチケットはとっくに完売よ。
Mayakov : 巷では何十万ギルもの値段がつく
プラチナチケットなんだから、当然でしょう?
Mayakov : ……ざ~んねん。
チケットがないなら、客じゃあないわ。
今回は御縁がなかったようで……
Mayakov : ……たたき出しておしまいっ!そして追い出された冒険者が店から出てくると…
そこにはショーの開演を今か今かと待ち望む客達の姿が
とあるヒュームの男もその一人だったのだが…
Turlough : ……うぅむ、やばいな。
そろそろ戻らないと……
Allaipre : ……あなたっ!
Turlough : げっ! おまえ!
Allaipre : お店ほったらかして
こんな所でなにやってるのよ!
Turlough : いや、その……
何でもないんだ。
Allaipre : ん、なによ、それ?
……マヤコフ……舞踏団?
Turlough : わー! わー!
これは、違う違う、ちがうんだ!
Allaipre : んーもー!
なにコソコソしてるのかと思ったら
仕事もしないでこんな所へ? 信じられない!
Allaipre : ちゃんと働かないと
晩御飯抜きだからね! ほら、帰るわよ!
Turlough : そ、そんな……トボトボとチケットを持ったまま去って行く男を見ていた冒険者は…
=== Area: Upper Jeuno ===
Turlough : ……なんだ?
きみもダンスが好きなのかね?現代に戻り、すっかり年老いたその男に話を聞いていた
Turlough : ううん、
最近のダンスショーも悪くないが、
やはり、昔はレベルが段違いだった。
Turlough : ご存じかな?
大戦期に活躍していた、マヤコフ舞踏団を……
Turlough : 彼女らのステージは
そりゃあ、ゴージャスでなあ。
中でも、サンドリアで行われたショーは
今でも伝説のステージと呼ばれてるほどさ。
Turlough : あの日、わしもチケットを
握りしめて会場に向かったんだが、途中
嫁さんに見つかって、連れ戻されてなあ。
Turlough : ああ、一生の心残りだよ……
Turlough : だから、あれ以来、今でも
チケットを肌身離さず、持ち歩いとるのよ。
Turlough : ほら、これがそうだ。
もうボロボロだけどな。
Turlough : ……ん、なんだ。
これが欲しいだと?
Turlough : まあ、構わんが……
こりゃもう、ただの紙切れだぞ?
変わったヤツだな。年月が経ってボロボロになってしまってはいるが、チケットはチケット
これを持って再び冒険者は過去へ
=== Area: Southern San d'Oria [S] ===
Mayakov : ……あら、またあんたなの。
懲りないボーヤねぇ。
Mayakov : え?
チケットを持ってきたですって?
Mayakov : ……フーン。
Gindaff : ……なんだか、
ボロボロですね。
Mayakov : これ、ホンモノなの?
Gindaff : ここに我が舞踏団のシンボル
メリュジーヌの印が、確かに捺してあります。
団長、どうしましょう?
Mayakov : …………。
Mayakov : ……ダメダメ!
おとといいらっしゃい!
Mayakov : そうやって、さっきから
偽チケットで入り込もうってヤツが
後を絶たないのよ!ボロボロのチケットを怪しみ、冒険者を追い返そうとするマヤコフ
するとそこに、立派な甲冑を身につけた騎士がやって来る
Mayakov : ん? あら!
これは、これは!
鉄鷹騎士隊のラジュリーズ(Ragelise)男爵さま!
Mayakov : お待ちしておりましたっ!
特等席を用意しておきましたのよ!
Ragelise : ほほう。
そいつは、うれしいねえ。
……おや?
Mayakov : ああぁ、コイツは
ボロボロのチケットで店に入り込もうとした
ふてえ野郎でございますよ。
Mayakov : おまえたち、
畳んでロンフォールの森に放り出しておやり!それを聞いた騎士は…
Ragelise : おいおい、
オレのダチに随分な仕打ちだねえ。
Mayakov : ……は?
ラジュリーズさまの、ダチ?
Ragelise : そうさ。なあ?
だからさ、大目に見てやってくれよ。
Mayakov : とてもそんな
立派な騎士さまには……あら、失礼。
Mayakov : ……まあ、いつも御贔屓に
していただいてる、ラジュリーズさまの
お友達ってことなら……。
Mayakov : ……とんだ
無礼をいたしました。
お許しくださいませ。
Mayakov : さあ、おふたりとも
まもなく開演時間ですよ。
お急ぎくださいな。突然現れた見知らぬ騎士に助けられる形となった冒険者
二人は店の中へ
Ragelise : ……はは、災難だったなあ?
あの団長は悪いヤツじゃねえんだが
ちっとばかし、頑固つうかワガママでな。
Ragelise : あんた、みたところ、
なかなか腕が立ちそうだ。
どっかの騎士隊のモンだろう?
Ragelise : ……そうか。鉄羊騎士隊、
鉄腕ロンジェルツの配下か。
Ragelise : ヤツの隊に、イキのいい
新入りが入ったと耳にしていたが、
あんたのことだったんだな。
Ragelise : あ? オレが何者かって?
まあ、んなこた、いいってことよ。
Ragelise : それより、ここの舞踏団は
ショーはピカイチだって評判だ。踊り子の
質だって、オレが保証する。一緒に楽しもうぜ。
Ragelise : ……お?
Ragelise : (……始まるぞ!)
Hegouard : ……いらっしゃいませ、
いらっしゃいませ……
Hegouard : ……紳士に淑女、
老若男女……
Hegouard : 貧者に賢者、大富豪、
老女に麗人、美少女も、
ようこそ、マヤコフ舞踏団のステージへ!
Hegouard : 浮世のしがらみ、何もかも
今宵ばかりは、すべて忘れてしまいましょう。
Hegouard : まだ夜は若い。
楽しむはいま、今宵だけ!
Hegouard : さあ、ショーのはじまりです……!
Ragelise : ……な? な?
どの娘も可愛いだろ?
Ragelise : あ、でも
あの右端で踊ってる子は口説くなよ。
オレが先に目をつけてるんだからな。
Ragelise : なあ、ところであんたは
誰の踊りがいちばんカッコいいと思ってるんだ?
Hegouard : ……さあ、皆様お待ちかね。
続いて、我がマヤコフ舞踏団のトップアイドル、
月影の胡蝶、リリゼットのソロ・ステージです!
Ragelise : ……彼女が
気になるのかい?
Ragelise : リリゼット(Lilisette)
っていうんだ。なんでも、
謎の多い女の子らしくてな。
Ragelise : 最近、入団した新入りなんだが
厳しいと評判の入団試験に一発合格。
Ragelise : ステージに上がるや、
瞬く間に観客の心をつかんで
スターとして認められた、ダンスの天才なんだと。
Ragelise : しかも、父親がエルヴァーン
母親がヒュームってこと以外は
出身、経歴、年齢、なにも
話さないってんだから、興味はつきねえ。
Ragelise : ま、そのミステリアスな
ところが、また魅力となって
人気に拍車をかけてるんだろうけどな。
Hegouard : ……さあ、そろそろ
胡蝶が羽根を休めるようです。
Hegouard : 留まる花となる、
本日の幸せなお客さまは……!?そしてショーが終わり…
Festauve : ラジュリーズさま!
こんな所にいらっしゃったんですか!
Festauve : まったく、困ります!
仮にも名門、鉄鷹騎士隊を率いる隊長とも
あろうお方が、フラフラと外出されていては……
Ragelise : ははは。
まるで深窓の令嬢だなあ。
Festauve : もう! 笑いごとではありませんよ!
Ragelise : 冗談だよ。
全員、集まったのか?
Festauve : はい、鉄鷹騎士隊総員、
閲兵場に集結しております。
Ragelise : うむ。では参るとするか。
マヤコフ団長。
Mayakov : ……御意。と、冒険者はラジュリーズの背後に見覚えのある小さな影を見つける
Ragelise : ……ん? どうした?
Ragelise : ……じゃ、オレは
ちょっとヤボ用があるから。
Ragelise : な~に、おなじ連合軍だ。
どこかで顔を合わせることもあるだろうぜ。
じゃあな!ラジュリーズと別れた後、冒険者はロンフォールの森に出て行くケット・シーを追い…
Ragelise : ……ラヴォール村の戦況は?ラジュリーズの部下の話によると、ラヴォール村の一部は敵に制圧されており一刻の猶予もない状態だという
それを聞いてすぐに出撃しようとするラジュリーズだったが、部下は今のままでは戦力不足である事を伝える
Ragelise : ははは。
安心しろ。そんなこったろうと思って
心強い助っ人をスカウトしてきたぜ!
Gallauciond : ?
Mayakov : ……隊士が少ないとは
うかがっておりましたが、これほどとは。
Ragelise : よくぞ、
参られた。マヤコフ殿。
Ragelise : なに、これでも回復したのです。
我が隊は、ラテーヌ会戦で
大きな痛手を被りましたからな。
Gallauciond : 隊長殿、こちらは?
Ragelise : 今をときめく
マヤコフ舞踏団の団長殿だ。
今回の作戦に協力を申し出てくれたのだ。
Merfanont : マヤコフ舞踏団……
ダ、ダンサー……ですか?
Ragelise : おおっと、
誤解するなよ。
舞踏団は世を忍ぶ仮の姿……
Ragelise : しかしてその正体は、
対血盟軍用に結成された
屈強なるレジスタンスグループなのだ!
Mayakov : ……わたくしども、
舞踏団の踊り子は、本を正せば、ラヴォール村の
修道院で育てられていた、孤児がほとんど。
Mayakov : 現在、村が置かれている
状況には、誰よりも心を痛めております。
Mayakov : あの美しかった
故郷を護るため、微力ながら
我が舞踏団もご協力致したく……
Mayakov : ポーシャ(Portia)!
Mayakov : 彼女は
舞踊の技量もさることながら、
武踊においては、我が団きっての腕前。
必ずや、お役に立ちましょう。
Ragelise : ……良いのか?
Portia : ……はい。
ラジュリーズ殿と御一緒できるならば
この世の果てまでもお伴致します……。
Gallauciond : ……彼女は?
ええと、確かリリゼットとかいう……
Mayakov : あの子は、まだ子供。
入団して日も浅く、危険な場所に
赴かせるのは忍びなく……
Gallauciond : そうですか……。
Ragelise : ……よし、1刻後に出発する。
総員、姉ちゃんに最後の別れを済ませておけよ。
Merfanont : …………。
Ragelise : 「愛してる。
また、近いうちに会おう」ってな!
Ragelise : 解散!
=== Area: East Ronfaure [S] ===一方、冒険者はというと
街の外に出たケット・シーにようやく追いついた所だった
Cait Sith : ……あらン?
Roardじゃないの。
お久しぶりね。
Cait Sith : こんなところで
お逢いするなんて奇遇だわ。
その後、調子はいかがかしら?
Cait Sith : ……ところで、覚えていて?
アタクシ、アータにお願いをしましたわよね?
Cait Sith : そう、
世界の嘆きの涙を、すこしでも減らすこと……
Cait Sith : ……知ってのとーり、
各地で戦火は激しさを増すばかり。
もはや一刻の猶予もならないというのに……
Cait Sith : アータときたら、
ダンスなんか観て、浮かれてる始末……
Cait Sith : ホント……
困ったちゃんねぇ?
Cait Sith : (……あぁぁ、もっと
仕掛けておくべきだったかしらン?
でも、そんなにたくさん……んー……)
Cait Sith : いいこと?
アータが持ってるのは、「時を舞う力」なのよ?
アータには何だってできるのよ?
Cait Sith : あの戦いや
この戦いだって、
アータの匙加減ひとつで……
Cait Sith : ……!?と、その瞬間ケット・シー達の前に突然踊り子達が飛び込んで来て…
Raina : つかまえた~っ!
Cait Sith : んなっ!?
なンなの? なンですの!?
Tanja : 捕まえたぞ!
おい、リリゼット!!
Judith : あれえ……こいつだれぇ?
ねえ、なんか変なヤツも捕まえちゃったぁ。
Lilisette : あはははっ!
Lilisette : かまわないわ!
どうせ、そいつも黒白ネコの
手下に決まってるんだから!
Lilisette : ふっふん!
やっぱり、見間違いじゃなかったわね。
Lilisette : さーあ
ついに捕まえたわよ。
おとなしくなさい、黒白ネコ!
Cait Sith : アタクシ、
ネコじゃありませんことよっ!
Cait Sith : あ、やめなさいったら!
汚い手を近づけないでちょうだい!
Cait Sith : 青臭い小娘のくせに
アタクシの耳を持とうだなんて
10年はやくってよッ!!
Lilisette : はんっ! 乳臭い
子ネコのくせに、わたしに命令しようなんて
100年早いわっ!
Cait Sith : キーーーーーッ!
Lilisette : きゃああぁぁ!
Raina : いったーい!ケット・シーに思い切り引っかかれた顔や腕を押さえ、悶絶する踊り子達
やっと解放されたケット・シーはその場から逃げる
Cait Sith : ……まったく
とンだ邪魔が入ったわ!
Cait Sith : Roard!
いーこと? アタクシの言ったこと
ユメユメ忘れるんじゃありませんわよ!
Lilisette : ……あ、まちなさいっ!
Lilisette : ああぁぁ!
あと、ちょっとだったのにっ!そして後に残された踊り子達と冒険者は…
Raina : ねぇ、リリちゃーん。
あんなネコ、もう放っとこうよ?
Lilisette : はんっ、冗談!
あれは未来……そう、ネコに化けて
未来からきた侵略者なんだから!
Tanja : つか、
それ、あんたの妄想じゃん?
Judith : だよねえ……
未来から来た獣人だなんてさぁ……
Lilisette : 本当なんだって!
捕まえたら証明してみせるわ!
これは、世界の危機なのよ!?
Tanja : はいはいはい。
……で、こいつはどうすんだ?
そのネコの仲間みたいだったけどさ。とっくに目を覚ましていた冒険者の顔を、睨むようにのぞき込むリリゼット
Lilisette : ……なに見てんのよ。
耳の長いヒュームが、そんなに珍しい?
Lilisette : ……。
Lilisette : ……て、いうか
あんた、だれ?
Lilisette : ずいぶんと
仲よさそうだったけど、ひょっとして
あの黒白ネコ「ケット・シー」の仲間?
Lilisette : いろいろ
聞きたいことがあるんだけど
ちょっと顔かしてもらうわよ?
Lilisette : ま、嫌とは言わせないけどね。
Tanja : ……あーあ、可哀想。
リリゼットに目をつけられちゃうなんて。
あんた、逆らわない方が身のためだよ。そして踊り子達が街に戻り、リリゼットと冒険者だけがその場に残る
Lilisette : ……コホン。ええと
話がそれちゃったけど、改めて聞くわ。
Lilisette : いったい、あんた何者?
あの黒白ネコと、どういう関係?
Lilisette : ……禁断の口?
ふーん、あれ、そう言うんだ。
それに飲み込まれて? へぇー……
Lilisette : ……やっぱり
わたしの睨んだとおり。
あの黒白ネコが黒幕ね……
Lilisette : え? なに?
わたしのリアクションが変?
ふつうこんな話信じないで
笑ったりバカにしたりするだろうって?
Lilisette : ん、べつに……。
だって、わたし……
Lilisette : !!
Lilisette : あれは!?リリゼットが見つけたのは、サンドリアの門の前に集合する騎士達やポーシャの姿だった
Lilisette : ポーシャ!
なにしてるのっ?
Portia : ラヴォール村を
助けに行くのよ。鉄鷹騎士隊の
皆さんといっしょにね。
Lilisette : ダメだって、ダボ……
ううん、ラヴォール村は危険よ!
Lilisette : わたしの知らない事態に
なっているんですもの。いまの時期に
オーク軍が侵攻してるなんて、絶対おかしいのよ。
Portia : ふふふ。
リリゼットったら。
また、おかしなこと言って。
Portia : いいこと?
確かにあなたは賢いし、よく予想も当たるわ。
Portia : けれど、
敵だって必死なのよ。ぜんぶ、あなたの
計算どおりに動いてくれるわけじゃないもの。
Lilisette : ちがうの!
わたしにはわかるのよ……必死にリリゼットが説得するも、ポーシャもマヤコフも出発してしまい…
残されたリリゼットは、突然冒険者に驚くような事を聞く
Lilisette : ねえ、あんた……
Lilisette : ずばり、聞くけど。
未来から来たんでしょ?
Lilisette : ……あ、やっぱ
答えなくてもいいわ。
でも、きっと、気づいてるわね?
Lilisette : ラヴォール村が
近い将来、オークに占領されて
ダボイって呼ばれるようになること。
Lilisette : そして、それは
「今」じゃないってことを……
Lilisette : ところで、
あんた、名前は?
Lilisette : ……そう
Roard……。
Lilisette : いいこと?
Roard。
事態は飲み込めてるわね?
Lilisette : なら、手伝って。
いったい、ラヴォール村で何が起こるのか
わたしにも、まったく予想がつかないの。
Lilisette : ポーシャたちが
心配だわ。わたしたちも村に急ぐのよ!まるで冒険者と同じように、未来を知っているかのような口振りのリリゼット
ひとまず今は彼女とラヴォール村へ向かうことに
=== Area: La Vaule [S] ===
Lilisette : ポーシャ!
Portia : ……あら、リリゼット?
どうしてここに?
Mayakov : リリゼット!
レッスンはどうしたの? さっさと戻りなさい。
後でたっぷりお仕置きですからねっ!
Lilisette : でも、お師匠!
Lilisette : ここ、危険なんです。
Lilisette : オークが
村の一部を占領してるなんて、変なの。
ここで、なにかよくないことが起きるんです!
Lilisette : ね、Roard?
Mayakov : あのねえ、みんな
危険は承知でここに来てるのよ!
Lilisette : ううん!
そういう意味じゃないの!
そうだわ! この人も、先がわかるのよ。
Mayakov : おや、まあ。
お仲間を見つけたのね。
Mayakov : で、その彼には
どうしてこれから起こる出来事がわかるわけ?
Lilisette : うぅ、そ、それは……
……み、未来から来たから……
Portia : ええ!?
Mayakov : ……ぷっ
Mayakov : おほほほほほ!!
Portia : や~だ。
リリゼットったら、もう。
こんなときに冗談なんて……。
Lilisette : ……っ!
わ、笑ったわね……!!当然「未来から来た」と正直に説明して信じてもらえるはずもなく
すると笑い声が聞こえたのか、ラジュリーズがやってくる
Ragelise : おい、お前たち
ここで何してる!?
敵はすぐそこなんだぞ!
Ragelise : ん、お前さんは……?
Ragelise : まあ、いい。
今は1人でも人手が要る。
お前たちも、いっしょに来い!
Lilisette : は、はい!そしてリリゼットと冒険者は、急遽ラジュリーズの鉄鷹騎士隊と行動を共にすることに
Ragelise : よっ、茜隼騎士隊。
首尾はどうだい?
Vestillet : ラジュリーズ!
……遅かったじゃねえか。今オーク軍の
一隊をかるく蹴散らしたところだ。
Ragelise : ほほう。
その割には、ズタボロに見えるけどねえ。
Vestillet : ふん、ぬかせ!
Vestillet : ……だが、助かったぜ。
Ragelise : 任せときな!
オレらが来たからには、一気にカタを付けてやる。
お前らは、村人の保護を優先してくれ。
Eusmard : ……た、隊長っ!
Vestillet : ん? どうした?
Eusmard : あ、あれを!見張りの兵が指さした先には、突然火の手が上がった建物が
Vestillet : しまった!
さっき撃退したのは、陽動部隊か!?
Ragelise : 離れろ!
家から離れるんだ!
Dixon : う、うわぁぁぁ!
Gallauciond : クソッ、なんだ?
あたり一面に火の手が……!
Merfanont : 畜生!
なんで、あちこちから同時に?
隊長、これでは消火が間に合いません!
Ragelise : ……落ち着け!
豚どもの作戦だ。家は捨ておけ。
残ってる村人の避難を優先させろ!
Lilisette : ……あ、見て! あれ!!
Ragelise : !?
Ragelise : おいおい。
なんてこった。
親衛隊様のおでましだぜ。
Gallauciond : あ、あれが!
オーク帝国もクゥダフ兵団も
切り従えたという……火に囲まれ混乱するサンドリアの軍の前に、次々とアーリマンやデーモン兵が現れる
と、燃え上がる炎の中にリリゼットはある姿を見つける
Lilisette : やっぱり!
あの黒白め……
Ragelise : うろたえるな。
連中だって、血も流せば、死にもする。
恐れることは何もねえ。
Ragelise : ちと、不細工だがな!
Ragelise : よ~し、来るぞ……!
鉄蝶小隊は、女子供を安全な場所へ!
Ragelise : 残りは、ここで
ヤツらを引きつけろ!するとそこに見知らぬ兵が現れ、鉄蝶小隊に代わり誘導を引き受けようとする
Ragelise : ……待て。
貴様、見ない顔だが?
Haudrale : 茜隼騎士隊の従騎士
オドラール(Haudrale)です。
Haudrale : 人手が足りません。
西に行った先に、壕の入口があります。
舞踏団のみなさんも、村人の誘導を!
Mayakov : こちらは任せて、
行きなさい、あなたたち!
Portia : ラジュリーズさま……!
Ragelise : 心配ない……言ったろ?
オレは、男だらけの色気のねえ場所じゃ
絶対死なねえって決めてるのさ。
Portia : もう……!
Ragelise : Roard!
リリゼット! ……ポーシャ!
頼んだぞ。
Portia : ……どうか、ご武運を……。そして村人達を誘導するため、冒険者とリリゼット達はオドラールと名乗る男に付いて行くことに
多くの犠牲者を出しつつも、何とか闇の王親衛隊の攻撃を凌いだ騎士隊は…
Vestillet : ラジュリーズ!
無事だったか。
Ragelise : ああ、なんとかな。
敵の親衛隊は退けたぜ。
Vestillet : やるじゃねえか!
ラテーヌのお返しができたな。
Vestillet : ……ん?
そういえば、あの
可愛い子ちゃんたちはどうした?
Mayakov : 今、村人を
避難場所へ誘導しておりますわ。
Ragelise : お前んとこの
オドラールってヤツが
連れてったんだ、が……
Vestillet : オドラール? うちの隊に
そんなヤツはいねえぞ……?
Ragelise : !?
……くそッ!それを聞いてラジュリーズは血相を変えると、すぐさまポーシャ達を追って走り出す
後編に
つづく